日本の出版流通の特徴と主な流通ルート
●日本の出版流通の特徴
日本の出版流通の特徴は、第1に「委託販売制度」によって新刊が流通していること、第2に「再販制度」によって定価販売が一般的であること、第3に販売会社(取次)が流通の中心的役割を担っていること、である。具体的には下記のことがいえる。
- 3,000社を超える出版社と、およそ10,000店の書店を少数の販売会社(取次)が結ぶ「ひょうたん型(砂時計型)」となっている
- 書籍は年間に70,000点弱の新刊が刊行され、雑誌は2,600誌以上が発刊されている(少量多品目の商材を扱っている)
- 「委託制度」があるため、物流は一方通行ではない(返品がある)
- 少部数発行による長期販売が適した書籍が、定期的で大量発行が必要な雑誌流通体制に組み込まれることにより流通コストを下げ、結果、書籍の低価格化が実現できている(海外では書籍と雑誌の流通経路・販売先は別になっていることが多い)