出科研コラム
神戸市の「本」文化振興
今年度より再び全国出版協会の主催に戻った
高橋松之助記念「文字・活字文化推進大賞」、第19回の大賞は「神戸市 神戸『本』の文化振興プロジェクト」に決定、11月4日に贈呈式が開催される。
同プロジェクトは、出版社や書店などとの連携により、「本」と人の出会いの場を作ることで、「本」を読む人、「本」を買う人を増やし、神戸の「本」文化を振興することを目指し、様々な取り組みを行っている。
「本のまち」「読書推進」を掲げる自治体は数多いが、神戸市の取り組みは、本を読む人を増やす、だけでなく、本を買う人を増やす、という視点があるのが大きな特色で、取り組みの中心に“書店”が大きく組み込まれている。
プロジェクトの推進にあたり、梅田蔦屋書店店長でひとり出版社・書肆汽水域の北田博充氏をアドバイザー(神戸市非常勤特別職)として登用。北田氏は、本を仕入れて販売するという従来の“本屋”の定義を広げ、本や読書の魅力を様々な形で広く伝えるという「広義の本屋」を提唱しており、同プロジェクトでも新刊書店から独立書店、古書店、出版社、ZINEなどの個人のつくり手など、多様なプレーヤーを“つないだ”様々な取り組みが行われている。
2日間の売上が1,350万円に達した「KOBE BOOK FAIR & MARKET 2026」をはじめ、地元企業とコラボし市内22書店で実施した「本とのひととき」フェア、市のイベント「NIGHT PICNIC」への書店出店、「みんなの本屋講座」、中央図書館でのトークセッションや読書会、地元出版社の紹介など市内の様々な場所で活発な活動を展開し、市民と「本」との出会いの場を創出している。受賞後の他地域への影響も期待したい。
さて、同プロジェクトも参加している
「BOOK MEETS NEXT 2026」が10月24日よりスタートした。昨年以上に全国の書店、各地域でイベントが予定され、規模も大きく拡大している。多くの方々が、“読書の秋”を体験されることを願う。(原正昭)
「季刊 出版指標」2026年秋号 巻頭言より