出科研コラム
低迷が続く雑誌は底を打ちつつあるのか?
長期低迷が続く紙の雑誌は、2025年年間で1割減と極めて厳しい数字だったが、26年上半期の推定販売金額は1,751億円、前年同期比で3.8%の減少に落ち着いた。25年の特殊要因といえる3月の大手コンビニエンスストアの帳合変更(販売終了店舗が多数発生)、4月の有力誌『週刊ダイヤモンド』の書店販売終了などから一巡し、マイナスは比較的低く抑えられている。
26年上半期の月刊誌は同2.8%減の1,517億円。内訳は定期誌が約1%減、ムックがほぼ前年並み、コミックス(雑誌扱い)が約7%減。25年年間の定期誌前年比5.4%減、ムック同5.3%減、コミックス同14.6%減と比べ、落ち幅は緩やかになっている。
注目したいのは定期誌である。上記、推定販売金額は基本的に取次ルートの送品から返品を差し引いて算出しているが、一方、既存調査店におけるPOS店頭売れ行きとは少し乖離が生じる。POS売れ行きで定期誌(週刊誌含む)をみると23年は約7%減であったが、24年、25年と約3%減で収まり、26年は上半期時点で、僅かではあるが前年同期を上回った。4月、5月は微増だったが6月は約6%増となり、3カ月連続のプラスに。記録を追える18年以降初めてのことだ。調査店の店数自体が減少しているのが乖離の一因であるが、少なくとも、当研究所の推定販売金額を基にイメージする雑誌の現状と、書店員が自店で感じている雑誌の現状とでは少し異なっているかも知れない。
7月16日、日本出版取次協会は
「トラック新法に伴う出版流通合理化案」を発表。稼働日日数の削減や店舗ごとの配達指定時間の撤廃、週刊誌発売日前々日までの取次搬入、雑誌本誌と付録の一体化納品など9項目の合理化案について、27年4月開始を目指し、既に関係団体、出版社と協議を始めているという。流通合理化は避けて通れない問題であるが、今後の動向とその影響を注視していきたい。(原正昭)
「季刊 出版指標」2026年夏号 巻頭言より