公益社団法人 全国出版協会

出版科学研究所

出科研コラム

リアル書店の話題

 日本出版インフラセンター書店マスタ管理センターが4月7日に公表した「年度別 書店数推移」によると2025年度(26年3月末時点)の登録書店数は前年から424店減の9,993店。ついに1万店を割り、最盛期の1998年度から差し引き1万4千もの売り場が消滅した。ピークの時期に数年の誤差はあるが、当研究所が発表する紙の推定販売金額とほぼ同様の推移を示しており、いかに販売拠点の数が紙出版物の売り上げに影響するかを思い知らされる。
 リアル書店の苦境が続くなか、三省堂書店神田神保町本店が3月19日にリニューアルオープンした。22年5月に閉店した旧神保町本店を地上13階建ての新ビルに建て直し、書店は1階から3階までそれぞれ特色ある売り場を展開、4階には集英社「THEジャンプショップ神保町」が入居した。当日は10時の開店前に約800人が並ぶほど盛況だった。
 そのほかにも、26年に入りリアル書店の話題が多かった(ような気がする)。1月31日には紀伊國屋書店新宿本店で初の試みとなるオールナイトフェス「KINOFES 2026」が開催。チケットはXでの告知後わずか4時間で完売し、当日は関係者を含む750人が参加した。
 “本屋プロレス”など個性的なイベント開催で有名な伊野尾書店は、3月末の閉店が決定していたが、「BOOKSHOPトランスビュー大江戸中井店」として6月より再オープンすることが公表された。店舗の半分は従来型の本屋として書籍・雑誌等を販売し、もう半分はトランスビュー扱いの出版社の商材を中心に展示・陳列するギャラリーを設け、出版社のポップアップストアとして活用できるようにするという。
 これらは規模も内容も全く異なる“点”としての書店の話題であるが、それぞれに可能性があるように思える。いずれ“線”となり、リアル書店復興の流れとなることを強く願う。 (原正昭)
「季刊 出版指標」2026年春号巻頭言より

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