公益社団法人 全国出版協会

出版科学研究所

出科研コラム

書籍の分類について

2007年の書籍の新刊点数は、77,417点(当研究所調べ)。市場に出回っているものを含めると、その数は80万点にのぼるといわれている。これら膨大な書籍群の中で、読者が探しやすく、また触れやすいように、さまざまな分類・整理が行なわれている。

[日本十進分類法(NDC)による分類]

NDCとは、Nippon Decimal Classificationの略。公立の図書館や大学図書館で広く活用されている分類法で、社団法人日本図書館協会が作成している。アメリカのデューイ十進分類法を参考にして、1928年に森清が考案したのが始まりだ。

現在使われているのは「新訂9版」(1995年)。その内容は、「第1次区分」として、あらゆる分野を、(1)哲学、(2)歴史、(3)社会科学、(4)自然科学、(5)工学、(6)産業、(7)芸術、(8)語学、(9)文学の9つの基礎分野に分け、どの部門にも属さない総合的なものには(0)をつけて総記とし、合計10個の「類」を形成する。そして「第2次区分」として、それぞれの「類」を10個の「綱」に区別し、さらに「第3次区分」として「目」に分ける。例えば「913」であれば「9」で文学、次の桁「1」を合わせて日本文学、最後の1桁「3」で日本文学の小説、物語を示すというわけだ。

NDCによる並べ方をすると、同じ主題のものを一つの書架に集めることができる。また、似かよった主題のものは近い分類なので、近接する書架に関連の図書をみつけやすいという利点があるわけだ。

[日本図書コードによる分類]

日本図書コードとは、国際規格である「ISBN」(詳しくはコラム参照)に、「分類コード」と「価格コード」を加えて表示するコード体系をいう。

もともと日本では、日本書籍出版協会と日本出版取次協会が制定した書籍コードが用いられていたが、1981年から次第に日本図書コードに移行し、1983年からは日本図書コードに一本化された。「分類コード」は、書籍コードの中の分類コードが引き継がれたもので、Cコードとも呼ばれている。

当研究所が行なっている新刊分類も、この分類コードの基準を用いている。数字4桁のうち、第1桁は「販売対象」、第2桁は「発行形態」、第3-4桁は「内容」を表す(内容コードはNDCを一部修正したもの)。

分類コードは出版社が任意につけることができるため、基準から大きく外れているケースも多くある。このため当研究所では、より正確に統計を取るため、NDCを参照しながら大幅な訂正を行なっている。

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