公益社団法人 全国出版協会

出版科学研究所

出科研コラム

増加する休刊点数

07年の雑誌の休(廃)刊点数は、出版科学研究所の統計上で過去最多の218点となった。当研究所が休刊統計を開始してから、年間の休刊点数が200点を超えたのは07年がはじめてである。

ここまで07年の休刊点数が増加した背景には、あおば出版、英知出版など出版社の倒産が相次いだことや、雑誌販売額が10年連続で前年割れという厳しい状況ももちろん影響している。過去にブームを巻き起こした雑誌や創刊から長い年月の経った歴史的な雑誌など名のある雑誌の休刊が増加しているのも特徴だ。

あらかじめ完結が予定されている分冊百科も本統計では、休刊誌のなかに含んでいる。創刊活動が昨今活発な分冊百科をのぞいた休刊点数を見ると、

完結した分冊百科を除いても休刊誌の点数増は変わらず、07年は200点に達している。

また特筆すべきは、07年は雑誌の総発行銘柄数が19年ぶりに前年割れとなったことだ。86~88年にかけても銘柄数は前年割れとなったが、この時期は80年代半ばの返品急増に対応すべく、業界あげての返品減少対策で創刊誌が抑制されたことによる。折しもバブル期に入り、販売額・部数ともに成長期で、返品率も22%前後と一気に改善された。だが、その後は年々金額、部数ともに大きく落ち込み、返品率の上昇は止まらない。

休刊点数が創刊点数を上回り、07年は銘柄数が前年を割り込んだが、売れ行きが不振で採算的に厳しい雑誌が多く、今後も雑誌の銘柄が整理、淘汰されていくのは確実だろう。

だが定期誌の読者離れは年々加速しており、銘柄が整理、淘汰されたとしても、販売効率が改善されるかどうかは不透明である。

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