公益社団法人 全国出版協会

出版科学研究所

出科研コラム

[新扱い]と[分版]

当研究所の雑誌[発行銘柄数]は、基本的に[取次ルート(通常ルート)]で流通している雑誌をカウントしている。つまり[取次扱い]に準拠しているわけだが、それだけにちょっと特殊なケースも生じることがある。

そのひとつが[新扱い]。[新扱い]とは、それまで[取次ルート]で流通していなかった雑誌が、中途で[雑誌コード]を取得し[取次扱い]になることをいう。

最近では、以下の銘柄がそれに当たる。

[新扱い]は[創刊誌]には数えられないが、[発行銘柄数]にはカウントされる。このため、[創(復)刊点数]と[発行銘柄数]とで、増加分に食い違いが生じてしまうのである。

同様に[取次扱い]の特殊なケースとして[分版]というものがある。

主にテレビ情報誌で、[地方版]が新たに刊行開始される場合を[分版]と呼ぶ。例えば、06年8月期に『TVJapan』(東京ニュース通信社)の『青森・岩手版』『秋田・山形版』『宮城・福島版』が新たに刊行開始されたが、これは取次ルートでは配本の事情から[創刊]ではなく『TVJapan関東版』からの[分版]という扱いになる。

しかしながら取次では、06年11月期以降、[分版]も[創刊(分版による創刊)]として扱っていく方針になったという。

当研究所に於ける[分版]の概念は、上記とやや異なる。新たに刊行開始された地方版の内容(記事や広告)が、親雑誌と基本的に変わらない場合は[分版]、親雑誌と全く異なる(別の雑誌と見做される)場合は[創刊]としている。

テレビ情報誌は、その内容が各地方版で共通していることがほとんどであるため、[分版]として扱うことが多い。結婚情報誌や旅行情報誌、就職情報誌、パチンコ/パチスロのホール情報誌などは、地方版ごとに記事や広告が異なるため、新雑誌[創刊]として扱っている。

メニュー