公益社団法人 全国出版協会

出版科学研究所

出科研コラム

ケータイ小説とは

いま売れている小説、「ケータイ小説」をご存知ですか?

ケータイ小説とは若者の必須アイテム、携帯電話で読む小説を書籍化したものを言います。いま「電話で読書?」と思われた方、ぜひ一度携帯ショップを覗いてみてください。イマドキのケータイは話す(通話)より見る(メール・インターネット・TVなど)ことに重きを置いて作られているため、とにかく画面が大きくてクリアなのです。

携帯電話で読める小説の中には、プロの作家による課金制の携帯小説もあります。しかしいま最も多く読まれているのは、携帯電話でしか読めない小説、つまり、紙媒体で刊行されている(書店で売られている)小説とは違う、携帯電話オリジナルのコンテンツ(小説)です。携帯小説を読みたいと思う人は、携帯小説のポータル(玄関)サイトにアクセスし、面白そうなコンテンツを選んで自由に読むことができます。通信費はかかりますが、コンテンツの使用料自体は無料であることが多いようです。つまり、書店までの交通費は有料でも、店頭に揃えてある本は無料、というイメージですね。

この携帯小説を書籍化したのが冒頭の「ケータイ小説」です。

ケータイ小説はYoshiの「Deep Love」シリーズ(スターツ出版、03年)が計270万部という大ヒットとなり、続いてChaco、美嘉というスター作家も現れました。ケータイ小説が相次いで大ヒットしたため、スターツ出版以外の出版社からもケータイ小説が次々と刊行され、今や一大ブームとなっています。

最近人気が高いのは、素人の体験談風の作品です。ケータイ小説の読者は若い女性が中心であるため、身近でリアリティのある恋愛話が受けているのでしょう。価格は1,000円程度で軽く、持ち運びに便利。文字も行間も大きく、話の内容も読みやすいつくりのものがほとんどです。

いわゆる「本好き」の人が読む本とは少々違う、若い女性向けのライトノベルと言った感じと思えば良いかもしれません。

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