公益社団法人 全国出版協会

出版科学研究所

出科研コラム

雑誌の「休刊」と「廃刊」、何が違う?

一般的に、雑誌がなくなることを「休刊」といいます。しかし、これとは別に「廃刊」という言葉も使われる場合があります。

「休刊」と「廃刊」、この2つの言葉にはどのような意味の違いがあるのでしょうか。

「休刊」とは雑誌の場合、編集制作上の障害などによる一時的な理由、あるいは経営上の事情や売れ行き不振などのために、継続発行が困難になった場合の措置を指します。つまり、雑誌が「ある期間刊行を休む」ことをいうのです。何らかの機会に、再び「復刊」するという可能性が残されます。

「廃刊」とは、雑誌の発行が自発的に中止され、以後の発行もまったく予定されない場合を指します。これは、その雑誌が完全になくなり、二度と復活しないことを意味するのです。

しかし「休刊」か「廃刊」かは、発行社(者)の意思表示がないと区別がつきにくいのが実状です。そのため、現在の出版業界では「休刊」という表現がほぼ統一して用いられています。また当研究所をはじめ、一部では「休(廃)刊」という表記が使われる場合もあります。

ちなみに雑誌は、「雑誌コード」という商品番号が誌名ごとに設定されています。雑誌が休刊すると、その雑誌の「雑誌コード」は共通雑誌コード管理センターで2年間保留され、その間もとの雑誌が復刊しなければ、また別の新雑誌に再び使用されることになります。

また、雑誌のタイトル(題号)は商標登録されています。商標権の有効期間は10年。存続のためには10年ごとに更新が必要となります。休刊して3年以内に1回も発行がなかった場合、商標権は消滅しますが、これが事実上の「廃刊」ともいえるでしょう。

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