公益社団法人 全国出版協会

出版科学研究所

出科研コラム

ムックの起源とその現状

書店やコンビニエンスストアには定期的に発行される雑誌と並んで、「ムック」が展示されています。

ムックは、書籍のように1つのテーマで編集され、雑誌のように大判・ビジュアルで低価格、そして不定期刊行というところに大きな特徴があります。

書籍と雑誌の特徴を合わせ持っていることから、
「雑誌(MAGAZINE)」+「書籍(BOOK)」=「ムック(MOOK)」
となったわけです。英語で書くとわかりやすいですね。

ムックという言葉は1971年5月にロンドンで開催された国際雑誌連合(FIPP)第8回例会の基調報告レポートで使用され、広まりました。日本では、1972年2月に発売された主婦の友社「主婦の友生活シリーズ」の『家事と整理1000の知恵』がムックの第1号となりました。

ムックのもうひとつの特徴として、月刊誌のように翌月の発売日になると返品されるのではなく、比較的長い期間店頭に置かれるということがあります。業界的に言いますと、いつでも返品可能な「フリー入帳」だからです。そうした長期間販売に適したコンテンツを、雑誌の流通ルートで低価格・大量販売をしようとするのがムックなのです。

さらに、既存雑誌のコンテンツを再利用するなどのローコスト化を図り、部数を多く発行することで低価格を実現、価格競争力を持ち合わせています。

ただし、ムックの新刊点数は95年の4,652点から05年は7,859点へと3,000点以上増加していますが、1点当たりの発行部数は大きく減少しています。販売部数・金額も95年に比べ05年は各13%減と需要が減っているのが実情です。

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