公益社団法人 全国出版協会

出版科学研究所

出科研コラム

戦後のベストセラーとメガヒット現象

当研究所では戦後間もない1946年から年間ベストセラーの集計を続けていますが、それらすべてを合わせると、ランキングは以下のようになります。(06年8月現在)

※「ハリポタ」シリーズは、2巻目以降をランキングから省いています。
発行部数は、2巻433万部、3巻380万部、4巻350万部、5巻290万部。

ランキングをよく見ると、意外に近年の新刊が多いとわかります。出版界は97年以降マイナス成長が続き、“出版不況”とも呼ばれていますが、その一方でメガヒットが続出しているわけです。

これは、いまの読者が「売れ筋追随型」になっているためといえるでしょう。ベストセラーが、テレビ紹介やドラマ化・映画化などで、売れ行きがさらに加速するというケースが多くなっています。本の新刊点数も増加していますし、またインターネットなどのメディアも発達している中で、読者にとって本を選ぶのはひと苦労。ですから、テレビなどで紹介された本に読者の目が集中し、突出した売れ行きとなるわけです。

しかし、そういった本はあくまで一部。それ以外のほとんどの本は、売れ行きが伸び悩むという二極化現象も起きています。

メニュー